今日で前夫と離婚してからちょうど10年経ちました。
当時はこの世の終わりかという程に打ちひしがれ、痩せこけてしまったのですが、今となっては、離婚して本当に良かった。当時の私、完全に正解!ってな感じです。
やっぱり25歳年上の大学教授に愛される女である自分に酔っていたんでしょうね。
付き合ってる段階では。
なんか、谷崎潤一郎の『痴人の愛』みたいな関係を演じることを楽しんでいたというか。
実家の両親に抑圧されていたからなのか、ADHDだからなのか19歳の私の精神年齢は幼く、自我が確立していませんでした。
しかし自分では、私は自立した大人だと思っていた。思い込んでいました。
そんなハリボテの自我は、年上の男性、地位も名誉もある社会的成功者に愛される女の人格を纏うのにちょうど良かったのだと思います。
しかし結婚は生活。
酔っているハリボテの自我も目を覚まします。
どうして夕飯ができましたよって呼んでから来るまでに20分もかかるの?
時間がかかるなら「今行く」って言わないでほしいのだけど。
トイレの便座は使った後に戻して。
連絡なしに友達を家に連れてこないで。
テレビで私のことを話さないで。
私の身につけるものにいちいち意見をしないで。
毎日お風呂に入って。
毎日歯を磨いて。
私が外出する時はあれこれ細かく聞いて何度も電話をしてくるのに、あなたは連絡もなしに外泊するなんておかしくない?
夜の外出を禁止するのはなぜ?
結婚したら1人で旅行に行くのは非常識ってなぜ?
あなたが連れて来るお友達が私の容姿を、作った料理をジャッジするのはなぜ?
どうして私の携帯を見るの?
あなたがうっかり手を出した女からのしつこい電話にどうして私が対応しなくちゃいけないの?
女は怖い?なぜ?
私は違うと思ったのに?誰だ比べて?
先生、教えて?
なんでも教えてあげるって言ったでしょう?
これだけ言っても流石といいますか、前夫は、一度も鬱陶しそうにしたこともなく、喧嘩になったこともなく、反論もなく、ただただ穏やかに辛抱強く私の話を聞いて、改善策を提示し、反省している私を愛しているから変わるよと言って穏やかに微笑みました。
そして改善なんてされず、反省なんて勿論せずに、私の単独での外出を禁じ、電話やメールを全てチェックするようになり、最後は友人に私を尾行させて「婦人科に入って行った不貞だ」と友人と騒いでいました。
心配だから。
愛しているから。
何千回言われただろう。
あなたが心配なのも愛しているのも私じゃなくて自分でしょう。
散々いい思いしたクセに。
恩知らず。
ブスが調子にのって。
先生がかわいそう。
弁護士を使うなんて卑怯。
いつもそうなのですが、卑しい言葉を投げつけてくるのは、よく知らない人。
どうでもいい人達はいつも騒がしい。
虫みたい。
笑ってしまう。楽しそうで。
前夫は今でも私に「心配だ」「愛してる」と言う。
全部わかってるのに何もわからない顔をして。
どうでもいい人達は、今も変わらずどこかの誰かを非難している。
楽しそうに。
10年経った。
どの結婚も離婚もしてよかったな。負け惜しみじゃなくて、どうせ命の蝋燭燃やすならやりたいようにやるのがいいから。
写真の猫は、さっき私の腹を前足でモミモミしていた飼い猫です。
かわいい。