北風ピューピュー吹き荒ぶ中を息子と夫と歩いている。
大晦日。
今年が終わる。
歩き疲れた息子が地面に座り込むので、夫がひょいと抱き上げた。
抱き上げられた息子が嬉しそうに夫に頰を寄せる。夫も愛おしいそうに目を細めて息子に頰を寄せる。
「重いでしょう。もう16キロもあるから」
と私が言うと夫はコクリと頷いた。
大きくなったんだよ。あなたと離れて暮らしている間に。
あなたの知らないところで大きくなって、あなたの知らないうちになんでもできるようになったあなたの子どもは、あなたのことが大好きなんだよ。
いい子だよ。
とてもいい子。
3人でてくてく歩いてゆく。風はさっきより一層強くなりゴーゴーと吹いている。
私達は、まるで風なんて吹いてないみたいに笑い合いながらどんどん歩く。
家族でお寿司屋さんに行くために。
夫と着ているコートのモスグリーン。息子のズボンの卵色。私のスカートのエメラルドグリーン。
風に溶け出しそうだと思う。
夫と息子が笑いあっている。
私に家族がいることが、突然、途方もなく幸せみたいな心持ちになってくる。
汚いことも、ずるいことも、逃げたいことも、全然平気、万事順調みたいな強い気持ちを持つことが私はとても得意だから、強い気持ちで切り抜けてゆくことがとても得意だから、この先もきっと大丈夫でしょう。
だから、これからも一緒にいてね。
今年はありがとう。
来年もどうぞよろしくね。
私は私の家族が好きです。
ブログを読んでくださる皆さまも、
今年はありがとうございました。
良いお年をお迎えください。