弟の葬儀から1週間が経ちました。
信じられない思いで実家に帰省して、慌ただしく通夜と葬儀を終え、夜中に自宅に戻ってきてから1週間。
あの子がこの世界から居なくなって10日が経ちます。
もっと泣き狂い生活もままならないかと思っていましたが、食べられない、寝られない、泣く、以外は、弟が自殺する前と変わらない日常を送っています。
弟が自殺したこと、まるで受け入れられていません。
悲しいより、かわいそうより、嘘でしょ?という気持ちが強いです。
9割嘘でしょという気持ち。
悪い冗談で、弟が「ごめん、ごめん、お姉ちゃん信じたん?死ぬわけないやん。はははは」と電話してくるのを待っている状態です。
冷たくなったおでこを撫でたのに、骨になったのを知ってるのに、もういないことを本当は知っているのに。
逃げているんです。
弟のLINEの画面を何度も開き、ちょっと!大変なことになってるんだけど、どこにいるの?実家に帰ってこられる?と電話したいのをこらえています。
私が通夜と葬儀のために帰省している2日間、息子は夫が預かってくれました。
息子を実家に連れて行ったなら、私は弟の死に向かい合うことはできなかったと思いますし、若くして自ら命を絶った弟の通夜、葬儀は実家の家族も、彼の友人も、奥様もとても取り乱していて、異常なものでしたので、そんな地獄より地獄らしい空間に息子を連れて行かずに済んだこと、夫にとても言葉で言い表わせないくらい感謝しています。
夫は2年間の別居生活の間、唯の一度も息子を一人で預かったことはないのに。「僕が預かれないとどうなるの?」
と問われ「私は弟の死に向き合えない。息子を連れて行けば、悲しむことを許されない」と答えたら、「預かります」と言ってくれました。
ありがとう。
私は命を救われたぐらい助かったよ。
息子は実家から戻った私に2日ほどぺったりと甘え、熱を出し、解熱してからは普段通りです。
私の笑顔が減ったことを心配しているのでしょう。
楽しいこと思いついたよ!
楽しいことして遊ぼう!
いいこと思いついたよ!お母さんが喜ぶこと!
といろんな提案をしてくれます。
息子とお祭りに行ったり、荒川の河原敷きを散歩したり、桜の花のライトアップを見に行ったり、動物園に行ったり、ダンボールで秘密基地を作ったりしていると楽しい優しい気持ちになります。
絶望ばかりじゃないと思えます。
無理をして仕事を休み息子を預かってくれた夫、私を楽しい気持ちにしてくれる息子、それに暖かな言葉をかけてくださるTwitterのフォロワーの方達が、絶望ばかりじゃないと教えてくれます。
弟がいない世界なら、あの子を苦しめた世界なら、優しく弱いあの子の生きられない世界なら、憎むしかないじゃないか、絶望するしかないじゃないかと思いましたが、蜘蛛の糸みたいな優しさに繋ぎとめられて息をしています。
蜘蛛の糸は丈夫だから、糸をつたっていつか明るい場所に出られるかもしれません。