昨日は別居している夫が自宅に遊びに来ました。
なんだか複雑な色合いのきれいなニットを着ていたので「きれいな色」と口に出しそうになりましたが、夫が以前同じニットを着ていた時に「きれいな色」と言ったことを思い出してやめました。
同じお洋服に同じことを何度も言うのは親戚のおばさんみたいだから。
息子と遊ぶ夫に
「みかん食べる?」と尋ねたら「いらない」と言うので残念でした。
この前来た時は食べたのに。
2人で落ち着いて話そうと言われてから随分経ちましたが、話はできていません。
とても久しぶりに会った年下の友人に
「あなたが無職でもいいなんて言っても、誰もそんなの本気だと思わないよ。そういうところが無神経だし残酷だ」
と言われました。
私のことなんて何も知らないのにと腹が立ちましたが、妙に老成したことろのある彼の言葉をあれから何度も思い出しています。
カフェの照明を受けてキラキラと輝く腕時計と眼鏡の奥の昔と変わらないじっとこちらを見る目。
「夫の気持ちがわからない」
と言うと
ふふふんと鼻で笑って
「とりあえず昔の男に相談はしてほしくないんじゃないの?」
「どうして?」
「嫌でしょ」
「そうなの?」
「そういうとこ。他人の気持ちに無神経なくせに自分は間違ってないって思ってるとこ」
「いや、別に自分は間違ってないとか思ってないし、だいたい他人の気持ちなんてみんなわからないでしょ?なんで君に夫の気持ちがわかるの?占い師なの?」
「違うけど、ご主人さ、あなたのこと好きなんじゃないの?ラインのやりとりとかみると。ちゃんと話しなよ」
「好きなの?」
「たぶん」
「無神経なのに?」
「まあ、うん。あのさ、僕は今日、人生相談するために会ったわけじゃないんだけどさ、あなたには幸せになってほしいから言うけど、あなたみたいな危ない感じのする女の人ってだいたいの男は面倒だから避けるんだよ。僕もそうだったけど、別に顔とか体だけならあなたの他にいくらでもいるんだよね。僕もご主人も。なのにあえてってことは、もうそこに愛があるってことなんだよ」
「愛が」
「そう」
「え、君、私に愛あったの?」
「ありますよ」
「へ〜」
「へ〜って」
「夫の愛、今もあるのかな」
「あるんじゃないですか」
「愛とか全然よくわからない」
「いやだから、そういうこと言うのが無神経なんだって」
「ふふふ」
「ちゃんと話しなよ。幸せになってよ」
「うん」
男の人ってすぐに幸せになってよって言う。
私は今もう幸せなのに。